Docker Offload の利用を最適化する

Docker Offload は、ビルドをローカルで実行するのではなく、リモートで実行します。つまり、ファイルはローカルシステムからクラウドへネットワーク経由で転送する必要があります。

ネットワーク経由でのファイル転送は、ローカル転送に比べてレイテンシが高く、帯域幅が低いという課題があります。これを軽減するため、Docker Offload にはいくつかのパフォーマンス最適化が組み込まれています：

これらの最適化があっても、大規模なプロジェクトや低速なネットワーク接続では転送に時間がかかることがあります。 Docker Offload 用のビルド環境を最適化するための方法をいくつか紹介します：

Dockerfile に関する一般的なヒントについては、ビルドのベストプラクティスを参照してください。

dockerignore ファイル

.dockerignore ファイル を使うと、ビルドコンテキストに含めないローカルファイルを指定できます。このパターンで除外されたファイルは、ビルド時に Docker Offload へアップロードされません。

典型的に除外すべき項目の例：

一般的な目安として、.dockerignore は .gitignore と同様の内容にすると良いでしょう。

FROM 命令でより小さいベースイメージを使用すると、最終的なイメージサイズを削減し、ビルドパフォーマンスを改善できます。 alpine イメージは最小限のベースイメージの好例です。

完全にスタティックなバイナリを利用する場合は、空のベースイメージである scratch を使用できます。

マルチステージビルドを使うと、Dockerfile 内でビルド時の環境と実行時の環境を分離できます。これにより、最終的なイメージサイズを削減できるだけでなく、ビルド中にステージを並列実行できるようになります。

COPY --from を使って、前のステージや外部イメージからファイルをコピーします。この方法により、不要なレイヤーを最小化し、最終イメージのサイズを減らすことができます。

可能な場合、大きなファイルはローカルコンテキストに含めるのではなく、ビルド中にインターネットから直接ダウンロードしてください。これにより、クライアントから Docker Offload へのネットワーク転送を回避できます。

これを行う方法の例：

一部のビルドツール（例：make）はデフォルトでシングルスレッド実行になっています。ツールが並列実行をサポートしている場合は、並列で動作するように設定してください。例えば、make --jobs=4 を使用すると、4 ジョブを同時に実行できます。

クラウド上で利用可能な CPU リソースを活用することで、ビルド時間を大幅に短縮できます。